この記事の結論
- 厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、薬剤師の平均年収は566.8万円
- 平均は手取り額でも、すべての薬剤師に当てはまる標準年収でもない
- 転職求人は年収だけでなく、労働時間・賞与条件・手当・雇用形態をそろえて比較する
「自分の年収は薬剤師の相場より低いのか」を判断するには、出典と計算条件をそろえる必要があります。この記事では、2026年3月24日に公表された厚生労働省の令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査を基準に、薬剤師の給与相場の読み方を整理します。
薬剤師の平均年収は566.8万円
厚生労働省の職業情報提供サイト job tagでは、薬剤師の全国平均年収を566.8万円と掲載しています。基になっているのは令和7年賃金構造基本統計調査で、対象者の平均年齢は40.1歳、労働時間は月157時間です。
| 項目 | 全国値 | 確認時の注意点 |
|---|---|---|
| 年収 | 566.8万円 | 税・社会保険料を引く前の額 |
| 平均年齢 | 40.1歳 | 全年代をまとめた平均 |
| 労働時間 | 月157時間 | 令和7年調査の全国値 |
| 一般労働者の時間当たり賃金 | 2,828円 | 残業代と賞与を含む |
| 短時間労働者の時間当たり賃金 | 2,540円 | 残業代と賞与を含まない |
元の統計表では、薬剤師の「きまって支給する現金給与額」は月39.87万円、「年間賞与その他特別給与額」は88.35万円です。39.87万円×12か月+88.35万円=566.79万円となり、job tagの566.8万円と一致します。
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト job tag「薬剤師」、e-Stat 令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者・職種。統計は事業所規模や労働者区分などの集計条件を含むため、個人の予定年収を保証するものではありません。
566.8万円より低ければ転職すべきとは限らない
平均年収は、年代、勤続年数、役職、雇用形態、勤務時間が異なる人をまとめた値です。たとえば20代で残業が少ない人と、管理薬剤師として休日対応を含む人を、年収だけで比較しても判断を誤ります。
- 額面で比べる:手取りではなく、源泉徴収票の支払金額や雇用条件通知書の想定年収を使う
- 賞与条件を分ける:昨年度実績なのか、入社初年度にも満額支給されるのかを確認する
- 固定残業代を確認する:同じ年収でも、固定残業の時間数によって実質的な時給は変わる
- 年間休日と勤務時間をそろえる:年収だけでなく、1時間当たりの賃金と休日数も比べる
- 一時的な手当を分ける:住宅手当、赴任手当、期間限定手当を基本給と混同しない
職場別・地域別の年収は求人票で確認する
調剤薬局、病院、ドラッグストアを同じ条件で比較した公的な全国平均表は限られます。そのため「病院は○万円」「離島なら○万円」といった一律のレンジだけで転職先を決めるのは危険です。
職場や地域による差を確かめるときは、同じエリア・雇用形態・週労働時間で複数求人をそろえ、基本給、賞与、残業、管理薬剤師手当、異動範囲を比較します。求人票の「想定年収」は幅の上限ではなく、自分の経験年数で提示される具体額を確認してください。
自分の年収を3段階で確認する
1. 現在の年間総支給額を出す
源泉徴収票の支払金額を基準にします。入社1年未満などで年間額がない場合は、月給12か月分に賞与の見込み額を加え、単発の手当は別に記録します。
2. 労働時間と役割をそろえる
週の勤務時間、年間休日、残業、夜間・休日対応、管理薬剤師業務の有無を確認します。条件が違う場合は、額面年収だけでなく時間当たりの賃金も併記すると比較しやすくなります。
3. 同条件の求人を複数確認する
1件だけでは、その求人が相場なのか例外なのか判断できません。希望地域と雇用形態をそろえて複数求人を見比べ、最終的には書面で提示された条件を確認します。
年収を上げたい人の次の読み分け
- 転職先の選び方:薬剤師が年収を上げる転職戦略
- 内定後の条件確認:薬剤師転職の給与交渉のコツ
薬剤師の給与に関するよくある質問
平均年収566.8万円は手取りですか?
手取りではなく、税金や社会保険料を差し引く前の額です。手取り額は扶養状況や控除によって変わるため、転職条件は額面で比較します。
平均年収に賞与は含まれますか?
含まれます。令和7年調査では、月の現金給与額12か月分に年間賞与その他特別給与額を加えて年収が算出されています。
パート薬剤師も566.8万円が基準ですか?
いいえ。566.8万円は一般労働者の全国値です。job tagでは短時間労働者の時間当たり賃金を2,540円と掲載していますが、地域や勤務時間、担当業務によって実際の条件は変わります。
職場別の正確な平均年収はありますか?
病院、調剤薬局、ドラッグストアを同じ条件で単純比較できる公的統計は限られます。求人サイトの集計も対象や算出方法が異なるため、参考値として扱い、実際の提示条件を比べてください。
まとめ
2026年に確認できる最新の公的統計では、薬剤師の平均年収は566.8万円です。ただし、この数字だけで現職の給与が高い・低いとは決められません。年齢や役職だけでなく、労働時間、賞与、固定残業代、手当をそろえて比較することが重要です。
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